2015/09/09 Wed. 23:34:34 edit
台風のせいか、朝っぱらから凄い土砂降り!
…だったんだけど、昼過ぎくらいから晴れ始め、朝寒かったから長袖着てきたのに、昼からは蒸し暑くて困った。扇風機も微妙だしなー。
でも、朝晩ホントに涼しくなったよね。寧ろもう冷えるよね。
『妖アパ』、やっと全巻読破ー!
古本屋に中々9と10が並ばなくて、気長に待ってたんですが…こないだ久しぶりに古本屋行ってみたらあったので、早速購入。
夕士と長谷って、ホントに何ていうかこう…マブダチなんだな、と。他にどう表現したら良いのか判らない!
久はかなり長谷のコトが好きですけど、二次界だと圧倒的に千晶推しのヒトが多くて、作者自体が(否定してるけど)明らかに千晶贔屓だしな…まぁ、読者としても千晶センセーに惚れるのよく判るよ。作者の趣味炸裂と言うか、カッコ良過ぎて嘘みたいなキャラだもんな。嫌味じゃないし。
この作品ってかなりカッコイイ大人や逞しい女子も出てきて、読んでても楽しいし道徳的な面もある内容なので勉強にもなるけど、偶に引っ掛かるトコロもあるんですよね。荻原作品読んでる時みたいに、ちょっとだけ。「ん?」みたいな。
「意味が判らない」という引っ掛かりじゃなくて、もっと作品全体の言い分とかキャラの扱いとか作中表現とか、そういうトコロに引っ掛かりを覚える訳です。そこが自分の中で燻ぶってるだけで。
勿論、人間が書いてる以上、そのヒトの趣味嗜好が反映されるのは当然。寧ろ小野不由美さんみたいに、作者の趣味嗜好や萌えが全く介在されていない、純粋にストーリーとその為だけのキャラをそのまま書けるヒトの方が稀。自分の贔屓キャラの出番が多くなるとか、似たようなキャラばかり作っちゃうとか、プロでも普通にやってる。
長谷の右腕やってる夕士も見てみたかったけど、夕士の進んだ道が結構意外なトコロに落ち着いたような、でも納得出来るような。
てっきり一浪して当初の希望通り進学するのかと思ってたけど、学校で学ぶより現地で身を以って学ぶ、という道を選んだ夕士が、最終的に冒険家兼小説家になってるのがとても…男の子らしくて大変好いです。
そういや一巻とか、夕士は割と本好きという設定があった気がしたので、小説家はアリだよなぁ。
長谷との関係は、軽率にBでLという対象にしてはかえって申し訳なくなるくらい健全かつ、これぞ「断金の友」と言ったカンジです。十年経っても変わらず付き合いがあって、夕士の為に新進気鋭の社長様自ら運転手役買って出るとか、長谷はホントに夕士のコトが純粋に好きだなぁ、と微笑ましく。
幼馴染というだけで、この付き合いの長さが持続する訳ないから、長谷にとって夕士は自分の後ろ盾に擦り寄らず自力で生きているという点だけで高評価だったろうし、夕士も華やかで恵まれているように見える長谷の、理解され難い苦労を判っていてそっと励ましたりあえて見ないふりして支えたり、お互い自分の足で立って相手をちゃんと見ている、というトコロで対等になり得たのではないかと。長谷が「傍に置きたい」なんて願ったのは、後にも先にも夕士だけだと思う。
なので、読んでる最中は「長谷の右腕やってる夕士も捨て難いよなぁ」なんて思ってたけど、読了してしまうと、夕士と長谷は別々の道を突き進んだ方がお互いもっとリスペクトし合えて、右腕&社長として一緒に同じ景色見て同じ道目指してるよりずっと世界が広がるし、違う道を進むからこそ対等で居続けられるのでは、という結論に。
右腕と社長、って周囲から見れば上下関係だもんね。お互いだけが「対等」って判っていても、いずれは右腕、社長、と本人達も線引きするようになって、いつしか対等で居られなくなる気がする。だから、ホントの意味でずっと認め合っていける間柄で居たいなら、全く違う道をそれぞれが歩んだ方が絶対楽しいし、刺激も大きいと思う。
夕士と長谷が、右腕&社長、という関係にならなかったのは、寧ろプラスなんじゃないか、って。
クリとシロも転生してて良かった。長谷の大事な息子のようなクリ。転生した祐樹のコトもきっと長谷は猫可愛がる気がする。全く事情を知らない双子の親が恐縮するくらい贈り物攻撃とかしそう…。
千晶センセーは最後までカッコイイよなぁ。文句の付けどころがないレベル。
「本当の社交を学ぶ」に限らず、この本に出てくる大人達のセリフは、自分みたいに努力も勉強も何もしてこなくて、日々ダラダラ過ごして時間を無為にしてきたやる気のない人間にはとても重くて耳に痛かった。幼かった自分が何もしてこなかったコトを、大人になってから後悔するコトを、今この歳になったからこそ痛烈に判る。判りたくない程に判る。
それを辛いと思うか、やり直したいと思うか、仕方ないと諦めるか、遅くてもこれから頑張ろうと前向きになれるか、それは自分自身でいつでも決められるんだよなぁ…って思いました(作文)。
カテゴリ: 小説
テーマ: 読書感想文
ジャンル: 小説・文学
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